おたくのテクノ

ピアノ男(notピアノ弾き)のブログ

シャツインせずにシャツイン可能なTシャツの開発

 

オタクの同胞の多くはご存知ないと思うが、実はこの頃シャツインが流行っているらしい。信じられるだろうか?

 

オタクとシャツイン

先に述べておくが、私は小学4年生の頃、2ちゃんねるや「電車男」から多大な影響を受けヲタク・ロードを歩み始めた、ヲタク・2ちゃんねらー・ヲタクだ。小学6年生の頃の将来の夢はVIPPERだった。

そんなオタクに憧れたゼロ年代当時の、というか昔から現代まで続く、ステレオタイプなオタク像と言えば、コレだ。

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ドラマ「電車男」より

チェックシャツ、シャツイン、リュックサック。これこそが、オタクとは遠い属性の方々から見た「オタク像」だろう。

ところで、オタクとして生きるのは大変だ。この頃は「オタク万歳!」と宣う方々も大勢いらっしゃるが、昔は「オタク=キモい」という単純な図式が今より蔓延していたし、現代でもオタクはキモい物(者でなく物)だと思っている方々はいらっしゃることだろう。私も半ば自嘲的に「オタク=キモい」と思っている。そもそもオタクの語源も

1983年に中森明夫が、「漫画ブリッコ」のコラムで、「コミックマーケット」に集まる集団を「この頃やたら目につく世紀末的ウジャウジャネクラマニア少年達」や「友達に『おたくら さぁ』なんて呼びかけてるのってキモイと思わない?」と評し、「彼らをおたくと命名する」と蔑称・名詞として用い、以後アニメ・SFファンはおたくを自認するようになった

Wikipediaに書いてあったので、オタクとは世紀末的ウジャウジャネクラマニア少年なのだ。

このような存在は中学高校では蔑みの対象となってしまう場合が多いので、オタクを自認していた私はなるべく「オタク像」から離れるよう心がけたのだ。

リュックサックだけは便利だから使っていたが、チェックシャツ、そしてシャツインは必ず避け(制服除く)、なるべくHIPHOP的な格好になることで、俺はオタクだがお前らの思うオタクじゃねえんだぞという意思表示をしたのだ。だから、お母さんにNESTA BRANDのパーカ*1(Lサイズ)を買ってもらったりしたのだ。BAD BOYのパーカはオタクでガキだと思ってたから小学生で卒業した。

皆シャツインしとる。シャツインしてへんのはおたくだけ

私は世間的に見れば「オタク」が多いような学科、学部に高校生から大学院生の今に至るまで所属している。噛み砕いて言えばコンピュータ周りの学問が学べる所だ。もちろん学部の中にもオシャレな奴はいるが、外国語学部や文化学部みたいなキラキラした所よりダントツでオタク率が高いだろう。

ところが、私の周りではチェックシャツを着ている人こそ見るが、シャツインをしている人はあまり多くないのだ。思うに、現代のオタクの夏場の定番ファッションの一つはコレだろう。

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ユニクロとかのシンプルなTシャツか、好きなモノを主張する柄がはいったTシャツ(COSPAとかで買えるやつ)と、ユニクロで買ったようなズボンだ。そしてシャツインはしない。シャツインするとあの「オタク像」のオタクと思われるから!あとたまに服がヨレヨレだったりする。

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あと黒な場合が多い気もする。そしてシャツインは絶対避ける。

 

さて、ここで冒頭に戻るが、この頃シャツインが流行っていることはご存知だろうか?

 

イケてるシャツイン!オシャレな人たちはタックインと呼んでるらしいが、タックって何?シャツインだろ!

 

イケてるチャンネーのシャツイン!イケてるね!

 

スカートにもシャツイン!ちなみに私の趣味の一つはこういうのです。

 

かばんちゃんもシャツイン!

 

びっちりシャツインするのではなく、少しフワッとさせるのがポイントらしい。本当か知らんけど、街で見かけるオシャレシャツイン人はそうやっている。

 

このように、悪く言えば「オタクが避けたがる属性」の人たちの間ではシャツインが結構流行っている!ここに挙げたものは一例だが、オタクの同胞は一旦アキバや中野を離れて原宿とか渋谷とかに出てみてほしい。私は関西人だからあまり行かないので知らないが、多分シャツインしてる若者をたくさん視認できるだろう。多分。

さらに、彼らの間ではシャツインにもいくつかスタイルがあるらしく、中でも

   

こんな風に前だけシャツインするスタイルは特にオシャレだ。前だけシャツインについては、神戸のアーバンチャンピオンことtofubeatsさんが

 こうおっしゃているのだから、間違いなく前だけシャツインはオシャレである。

オタクのシャツインに対する葛藤

私は「オタク像」のようなキモくてダサいオタクだとは思われたくないから、HIPHOP的なシャレた装いをしていたのだ。ところが、今のオシャレは「シャツイン」だ。だったら、今すぐダラシない着崩したシャツを正し、率先してシャツインをすべきなのだ。

しかし思い出してほしい、ステレオタイプなオタク像の三大要素は「チェックシャツ・シャツイン・リュックサック」だ。私は素がオタクっぽいと自認しているので、シャツインをすることには強く躊躇いがある。シャツインすると、オシャレよりかはオタク(=キモい人間)となるリスクが実に高いからだ。

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オタクシャツイン問題を解決するTシャツの開発

話をまとめよう。

  • 今、シャツインがオシャレとして流行っている
  • 一般に広まっている古典的なオタク像はシャツインをしている
  • 私はオタクと思われたくないので、シャツインを避けてオシャレしたい
  • でもシャツインはオシャレとして流行っている
  • シャツインはすべきなの?しないべきなの?

内面にオタクを抱える我々は、いやオタクには色々種類があるので我々と括るのは適切でないが、私のようなオタクは、シャツインをすべきかしないべきかで強い葛藤がある。

シャツインをしなければ、シャツのインアウトという面では無難なので、オタクでもオシャレでもないプラマイゼロの状態だ。ただし、柄とか装飾品とか他の点でオタクセンサに引っかかって減点され、オタクと認定される可能性がある。

シャツインをして、もしこれがオシャレだと見られれば、オシャレくんというプラスからのスタートとなる。他がオタクセンサに引っかかって減点されたとて、オタク認定ラインを超える可能性は減る。ところが、シャツインがオタクだと見なされてしまうと、地獄だ。

 

ところが、私はここで裏技を思いついた。シャツインをせずにシャツインをすれば、奴らはバグるのではないか?

私はシャツインをせずにシャツインが可能なシャツを開発した。ご覧頂こう。

 

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シャツインしてるはずなのにシャツインしてない!!!

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シャツインしてないはずなのにシャツインしてる!!!!

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これは、シャツインせずにシャツインが可能なシャツをシャツインしている。

 

いかがだろうか。皆さんもお気づきになったかと思うが、これはフェイクTシャツという手法を利用している。

  

フェイクTシャツとは、Tシャツ自体にネクタイやリュックサック、スカーフ等といったアクセサリーの柄をプリントしておくことで、実際にそういったアクセサリーを着用することなく着用しているかのように見せることができるものだ。

人間を視覚的に騙すことで、コストを削減することが可能となる画期的な手法というわけだが、これを利用して「シャツインしているジーパンの腰回り部分」をTシャツに印刷すれば、シャツインをしなくても、シャツインしている様子を重畳することができるわけだ。

 

今回は極力リアリティを高めるため、Tシャツにプリントする画像は自分が持っているジーパンと白いシャツを使い作成した。

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もちろん、オシャレになりたいのだから最上級オシャレスタイル「前だけシャツイン」だ。この画像を加工し、プリントのためのデータを作成する。

Tシャツの印刷方法にはいくつかあるが、今回はフルグラフィックプリントにした。

 

フルグラフィックプリントは、このようにTシャツの隅から隅までプリントが可能な方法だ。本物のジーパンと印刷のジーパンの間をシームレスにするためには、隅までプリントできなければいけないのだ。

というわけで、フルグラフィックプリント用のデータを作った。

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Adobe製品を使ったことがない人のために説明しておくと、市松模様は透明という意味だ。

あとはこのデータを、フルグラフィックプリントしてくれる業者に入稿するだけだ。今回はオリジナルプリント.jpという所を利用した。

originalprint.jp

このサイトは、Tシャツにプリントしたい画像をどこに配置するかっていうレイアウトができるデザインツールがWeb上で実行できるので便利だった。念のため言っておくが、私が勝手に載せてるだけで、企業からPRは一切頼まれていない。

入稿はすんなり終わり、三週間ほどで届いた。気になる金額は、送料含め2120円だ。シャツインせずにシャツインできるのだから安い方ではなかろうか。

 

さて、シャツインせずにシャツインすることには成功したが、果たしてこれがオシャレなのか、オタク認定ボーダーラインを超えてしまっていないか、というのは私自身がオタクなので分からない。もう一度貼るので、スーパーオシャレな人々は判定してほしい。

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