おたくのテクノ

ピアノ男(notピアノ弾き)のブログ

ピアノマン日記 〜MU前後〜

先日、MU2020という、日本全国のクラブ・ライブハウス協力のもと配信されるライブストリーミングフェスに出演し、7000〜8000人に私のライブがリアルタイムで視聴された。

club-mogra.jp

自分の今までの活動に対する相対的な規模の大きさ、オンラインストリーミングに頼らざるを得なくなってしまった過去に例を見ない時期という点、バグった世の中の雰囲気など含め、自分にとって重大な事柄の一つであったと思う。

こういった個人的に重要な事柄は、その時何が起きて何を思ったか、という事を一瞬で忘れてしまったり、自分で気づかないうちに歴史修正してしまう可能性があるので、柄にもなく日記というフォーマットを頼りながら、良い悪い含め書き留めておこうと思った次第だ。恥ずかしくなったり自分のビジネスに支障が出たりしたら、非公開にするだろう。

 5/9 MU2020の相談が来る

放送1週間前にオファーが来るという、一般的なクラブイベントと比較するとあまりにも壮絶なスケジュールというのはMUに限った話ではなかった。

私は売れっ子芸人というわけではないので、数えられるほどの案件相談しか来ていないが、少なくとも自分の元に来ていた話はどれも物凄いスピード感で物事が動いていたし、推測でしかないがどこでもこのスピード感だと思う。

このスピード感も相まって、今この記事を書いている時、Twitter上では「配信乱立」を巡って様々なご意見が流れているし、自分も2020年以前の状態ならば確実にチェックしていたであろう配信すらスルーしてしまっている。しかし、暇になってしまった人や生死がかかっている人・会社が多数現れている以上、乱立せざるを得ないと思うし、これはいかにすれば解決できるのか、そもそも解決すべき問題であるのかというのは今の自分にも分からない。

 

2019年末から自分は体調を崩していて浮き沈みが激しい状況だったのと、オファーが来た時に酔っていたので考える時間を貰おうと思っていたが、結局爆速でOKした。

 

5/10〜5/11 何もできなかった

この時の私は、就職先が卒業ギリギリで決まった事や持ち前の先延ばし癖が災いしていて、学生時代の僻地の安アパートに未だに住んでいる。一人暮らしで、近所付き合いは一切無し、友人も公共交通機関を用いて1時間半ぐらいの所でなければ居ない。お付き合いしている人などこの25年で一度もいた事はない。

昔からの性格なのか、自分から知り合いに不要不急のコンタクトを取ることが不得意で、この時流行りのZOOM飲みなどまだ一度も経験無し。

家族も、母や祖母は数週間に1度ぐらいは電話をかけてくれるが、それ以外は無い。別に嫌いじゃないけど、連絡する理由がないし普段からそんなに話さないから。。。

会社は就職した時からオフィスの場所の都合でテレワークの割合が多かった。羨む人が多いかもしれないが、自分は残念なことに人と対面で会わない状態が続くことに耐性がなくて体調を崩しかけてたので、むしろテレワークの割合が減るよう工夫してもらっていた所に外出自粛の時代がやってきて、しっかり体調が崩れてしまった。

 

この2日間は呻きながらヒルナンデスのマスコットキャラクター「フェルナンデスくん」の画像を貼り、それに対してマクドナルドのマスコットキャラクター「ドナルド」が『フェルナンデスくん』と呼びかける画像を貼ることで自分を誤魔化していた。

この時期は検察庁法改正案を巡った様々な意見や運動がTwitter上で渦巻いていて、自分もついつい足りない知識で思考を巡らせたり様々な情報を漁ってしまい、結局余計体調が悪くなってしまった。法案そのものに対しては執筆時点では反対寄りの立場だが、この日記の本旨から大きく脱線する恐れがあるし、さらに体調が悪くなりそうなので別の機会に今は気の知れた人とだけしたい。(とか書くと、ちゃんと声を上げろと言われてしまうのだろうか)

 

5/12 おしゃべり

もはや定例の会議とスーパー・コンビニで発する「一膳つけてください」「ありがとうございます」ぐらいしか他者との繋がりがなくて、全てを終わらせてしまいそうだったので、discordで知り合いのトラックメイカー達に「話ソ〜」と呼びかけたら割と集まって、クラブイベントの時の楽屋みたいな感じで久々に楽しかった。これがなかったら本当にやばい状態のままMUを迎えていたかもしれない。

 

5/13〜5/14 ライブセット難産

とはいえ結局体調を崩しているのだからヤバい心情には変わりなくて、仕事もほぼ休みかけみたいな状態になったし、ライブセットは本当に難産な状態だった。一瞬死も頭によぎったが、人は意外と簡単には死ねないっぽいし、雑に死のうとして失敗すると後遺症が残って最悪なことになるから、自分は今後も自死を選ぶことはないだろう。あと、部屋が臭くて最悪だった。私の部屋は最近臭い。

 

オンラインに頼らざるを得ない状況になってから、私は2件のライブを行った。

1件はBrainbusterという、ざっくり言えば無観客ライブにガヤを入れて楽しむ配信企画で、ここでは「Augmented Hardcore」というでっち上げテーマでライブをした。

もう1件はマイヤヒー専門MEGAMIXという私個人の企画で、その名の通り私が狂ったように集めた「恋のマイアヒ」のカバー・REMIX・ブートレグだけで1時間DJするという放送だ。Twitch上で行ったが、最大同時視聴者数300人超えと、ピアノ男にしてはかなり盛況な配信だった。

こうした経緯を踏まえたのと、あと単純に時間が限られていたというのもあり、「マイヤヒー meets HARDCORE」というテーマだけは決めて、この日はマイヤヒのパラパラ動画を見ながら練習していた。avexさんありがとうございます。

 

5/15 爆速で仕上がっていくライブセット

締め切り効果は絶大というか、難産とか言ってる余裕がなくなったというか、それはもうありえない速度でライブセットが出来上がった。ありえない速度でライブセットが出来て余裕ができてしまったので、晩頃にはスーパーマリオワールドをしていた。

5/16 本番

ここ1ヶ月ぐらい、必要以上に外出自粛をしていた。河川敷へ散歩に出ると、思いのほか老若男女がいて、二人並んで和気あいあいとする様子も目について、嫉妬してはいけないと理性では思いつつも本能的に気分が下がってしまうからだ。自分は高々そういう人間。

しかし久々に、いやBrainbusterがあったから久々というほどでもないけど、メトロへ向かってると気分が高揚してきた。

 

自分は京都に住んでいながらも活動場所はむしろ東京・大阪のほうが多かった。それでもお世話になっている(いた)京都の箱は2店あって、そのうちの一つが京都メトロだ。

初めてメトロに出たのは8年前の高校生の時で、イベント翌日に私・SEKITOVA・banvoxでトイザらスに行ったのを覚えている(お二方についてはまた今度トイザらス行きましょう)。それから長らくメトロへは客として行っていた。

次に出演する機会があったのはなんと去年の話(!)だったので、自分のパフォーマンスの建て付けも含め私がメトロ枠で大丈夫か!?という疑念は正直あった、というか今でも俺で大丈夫だったのか?とうっすら思うが、もう一人はin the blue shirt有村氏だからBrainbusterという文脈があるし、俺みたいな妙ちくりんな輩も存在できるという事は京都っぽいし(?)、メトロがどうか存続して俺とは別のベクトルを向いたイケてる人が今度出てくれれば万事OKだろうという期待を込め、自信を持って役目を全うすることにした。

 

指定された時間より少し早めに現場入りしたと思う、床には新たにかっこいい綺麗なペイントが施されていた。既にスタッフの方々は照明や配信設備の設営等をされていた。この設営中の感じはこれまでに出演した時のメトロの空気感を思い出す。

しかし、通常イベントなら自分以外にも出演者がその場に居るものだが、今回は現場"だけ"見るとワンマンライブみたいな状態だ。もちろん離れた場所に他の出演者はいるし、イベントの性質から考えても自分主役とか、自分のためだけに準備が行われているとかそういうことは断じて思っていないと前置きしつつ、強烈に貴重な経験をしてしまった気がする。

 

準備をする過程で、久々に大きな音で音楽を体感した。僕の出番より前に出演されていた、DJ AKiさんや有村さんの配信もデカい音で聴かせてもらった。良かった〜。

 

本番

とりあえず今自分がやれることはやった。自分はぶっちゃけDJかと言われるとDJではない。事前にガチガチにセットを組んでいる。だからDJをしない分、展開をじっくり考えながら組むし、今回だったらラジオDJを真似た謎MCを入れたり段ボールでゴミを作ったりと、演出・パフォーマンスにリソースを割いている。それで約10年やってきた。

幸いこのスタイルはオンラインストリーミングとは相性が良かったようだ(多分)。

CR巨人の星のごとく鮮烈な照明や、音MADみたいなワイプをはじめとする映像スイッチングもすごく良くて、スタッフの皆様には頭が上がりません。

 

本番後

自分の片付けも早々に済ませて、DJ Remo-conさんのDJを聴いていた。beatmaniaIIDXをそこそこやってたのでその思い出補正と、今個人的にサイバートランスがキてるのもあって、かなりグッときてしまった。ライディーンはさすがに面白かった。

帰路、あり得んぐらい豪華なもの食べようと思ってコンビニに入ったが、結局いつも通り野菜と丼物を買って食べた。

おうちに帰ってからは、エゴサをしてた。生々しくて書くか躊躇ったけど、自分の日記なので正直に書いてしまうと、自分に対する言及がめちゃくちゃあるという状態に対してエッチな気分になってしまい勃起してしまった。

 

5/18〜5/19

自分のライブのアーカイブ見た。うんうんよくやった。照明・スイッチングもめっちゃ良かった。何回も見ちゃった。

あとはスーパーマリオワールドをやってた。Switchには好きな場所でセーブして好きな場所から再開できる機能がある、いやこんな甘えた機能には頼らないぞと思いつつも結局頼ってしまうのであった。

さて、気を抜くとすぐまた勢いで妙なものを作ろうとして変に忙しくなって体調を悪くするので、意図的に恋愛に力を入れようと思ったが、全くどうすればいいかわからない。tinderとかもうやる気完全喪失してるし、ペアーズ再開して課金したほうがいいかな?この時期に交際が始まった人はどんな裏技を使ったのかワザップ!に書いてほしい。

 

DJ・ライブの配信について思ったこと

配信に頼らざるを得ない状況になって、まず改めてクラブ・ライブハウスの必要性やオンラインパーティの課題を再認識した。皆も再認識してるやろうけど。以下は全然浅い事を言っていると思うし、何も有意義なことを書いてないと思うので、適当に流してほしい。

 

オンラインという形態には空間を超えて人々が基本別け隔てなく繋がれる・集える能力があって、その力は自分も小学生の頃からBARギコっぽいONLINEやニコ生などを通じて認識していた。そしてそれが良い事なのか悪い事なのか、どんな繋がり方・集い方をしていくべきなのか。みたいな議論がまた活発になり始めてるのはおもろい。

 

次に格差の問題。オンライン配信は、人が喋る形態の配信ならまだしも、DJやライブとなると体験の品質に格差がめちゃくちゃ出る。皆が皆安定した光回線を持てる状況なわけではないし、スピーカでデカい音を出せる場所なわけでもない。特に回線の問題はものすごく多く聞くが、結構一筋縄ではいかない事が多い。今後何十年の技術革新で埋まるのレベルなのかどうかも正直分からない。

これに対して、クラブ・ライブハウスは空間の制限はあるけど、数千円ひねり出したらほぼ皆等しくデカい音で良い品質でDJ・ライブが体感できる。

 

配信とライブ・DJスタイルの適性の問題。私はインターネット上がりだったりライブの建て付けがわりと見栄えするものだったりということもあって、幸い適性がある方かもしれない。

しかし得意のベクトルが別の方向にあったり現場向きの建て付けの人もごまんといるわけで、そういう人に無理に配信に寄せてくれと言うのは違うよなぁとか、この状況下でそういう人たちを埋もれさせないようにするにはどうすればいいんだとか、そういう議論も目にした気がする。私はそういうことには中々頭が回らないので建設的な意見が出せない。

 

 

他にも山のように思ったことがあったと思うが、もう夜が明けてしまって頭も回らなくなったので終了。たかだか日記なので推敲もしない。よくないこと書いてたらすみません。だったら公開すんなよって話ですが

 

(2020/05/19 追記)
小6ぐらいの時、ネプリーグのもろパクリ企画「ピアリーグ」という配信をやったものの、何故か自分がキレて途中で強制終了したのを思い出した。もういい大人なので、今後はキレたりせずに双方向参加型配信企画にも挑戦していきたい。